第107号 2015年6月7日

石垣島ウルトラマラソン

(伴走したのと同じ順番で綴る伴走記です)

後藤美奈

 5月17日(日)、第1回石垣島ウルトラマラソン大会に、はるばる東京から参加されたちーぼうのリレー伴走者として走りました。ちーぼうは盲ろうという二重のハンデを抱えながらも、とっても明るく元気なランナーです。

前日の午後、受付を済ませるとビルの屋上へと誘導されました。説明会場はなんと、ギラギラの太陽がふりそそぐ灼熱の屋上です!「石垣島の暑さに慣れて頂くため」との主催者側のコメントでした。

 大会当日の朝6時、サッカーパークあかんまに集合すると、すでに東の空には太陽が昇り、雲も風もない文句なしの晴天。暑さとの戦いとなりそうな予感 朝7時にスタート、すぐにデコボコの上り坂、しばらく進むと舗装路になり真栄里ダムを横切ります。於茂登集落では伴ネット応援団の温かい声援が待っていました。そこからは於茂登林道をひたすら上ります。無理をしない上りでは歩き、下りで走り、を繰り返しながら進みます。林道の坂道はきついけれど、鬱蒼とした木々のトンネルを気持ちよく走れ、ちーぼうも珍しい植物の撮影など楽しんでいます。林道を抜け名蔵に近づくと、一転強い日差しが待ち受けていました!13kmのみね屋エイドでトイレと水分補給。差し入れの100%オレンジジュースで生き返ります。名蔵大橋ではエメラルドグリーンの海や名蔵アンパルを眺めながら記念撮影!石垣島の暑さに慣れているはずの私も、強烈な日差しでヘロヘロ やいま村のエイドで食べた黒糖のかき氷のおいしかったこと!ちーぼうから「ゴールで待っててね。チーム一緒にゴールしようね!」 やいま村では伴ネットやいま応援団に励まされ、ようやく中継地点の獅子の森で、伴走の圷さんへバトンタッチ!ちーぼう、ゴールで必ず待っているからね!

圷 寿男

 たくさんの応援団に見送られ、名蔵・獅子の森私設エイドを出発しました。名蔵湾沿いの歩道をちーぼーは快調に走ります。ちょっと速すぎと思えるくらいのスピードで走ってましたが、これまでのウルトラマラソンの経験を思い出してセーブしてます。歩道の作りによって走りにくい場所もありましたが、ほとんどは走りやすかった。ロープを通じてちーぼーが楽しそうに走ってるのがわかりました。併走してくれた埼玉のSさんはちーぼーと同じバンバンクラブ所属。手話ができるので時より三人でゆんたくしながら走ります。そしてあれっ?と思うと伴ネットの移動エイドがそこここにありサポートしてくれました。

 さあここからはアップダウンが続く屋良部半島一周になります。イタリコ・エイドでエネルギー補給をして前に進みます。上りは時々歩きながらもチェックポイントの御願崎は4時間半で通過。ここから見る西表島は手が届きそうです。晴れてるから景色は絶景なのですが、ランナーには容赦なく太陽光線が降り注ぎます。昼の時間帯、所々風もなく太陽から隠れる場所もなくとにかく暑い。伴ネット移動エイドでもらう氷で体を冷やしながら、辛抱強く前に進みます。

 半島一周も終盤になった頃、前にタマセブンとH田さん組を発見。それを伝えるとちーぼーの気持ちに火が点いたように感じました。一言手話で言葉を交わしながら二人を抜きます。残念ながらタマセブンは次のエイドでリタイア。ボクらは次の伴走交代地点、獅子の森を目指して一歩一歩足を前に出しました。再び名蔵湾沿いを走り歩きを繰り返し、やっと獅子の森にたどり着きました。ボクが伴走してから4時間が経ってました。

齊藤 弘美

 獅子の森私設エイドでふたりを迎え、爽やかな笑顔の圷さんからロープを引き継ぎました。上りが少しきつそう、という圷さんからの情報もあり、「上りは歩こう」とまずは伴歩からのスタート。やいま村のエイドで「少し座りたい」と言われ木陰に誘導。座った途端に足が攣ってしまい、慌ててシューズを脱がせてSさんがマッサージ。黒糖かき氷を補給し、再スタートです。この時、残り時間3時間半、距離18キロ。心配そうに時計を見るちーぼうに「1キロ10分で歩いて3時間。間に合うよ、大丈夫!」と伝え、下り坂から走り始めました。

 車道ではなく歩道を走る今回の大会、小さな段差や微妙な上り下りの連続です。盲ろうの方の伴走が初めてだった私は、手話で道の変化を伝えようとしていましたが、ちーぼうから「ロープで伝えて。」と注文が!Sさんに基本を教わりながら何とかロープで伝えながら走り続けました。容赦なく照り付ける太陽と非情なまでの無風。明らかにちーぼうの息遣いが荒くなり、歩きに変更。と、不意にちーぼうから「どのへんで泳ぐの?」と!コース途中で泳いだり走ったりするというイメージだったようです(笑)。みね屋手前で浜に下り、手だけ浸かって海水浴気分を味わい、同じく波音に誘われてきたランナーに、海をバックに記念写真を撮ってもらいました。そのあとのことは、正直書くことが辛いです。製糖工場が見えてから名蔵の交差点が遠かったこと。どんどん消耗していくちーぼうに何もしてあげられない自分。それでも絶対に「リタイヤ」を口にしなかった彼女の、55キロ地点での辛い決断。両足が痙攣し、痛みで叫び声をあげているちーぼうを3人で抱えて運営車に乗せたとき、駆けつけてくれた美奈さんの顔を見て、ちーぼうと一緒に大泣きしてしまいました

 でも、私たちには新しい目標ができました。来年、同じメンバーでの完走です!自分には足りないことがたくさんあったけれど、「また来年も来るから伴走よろしくね!」と笑顔で言ってくれたちーぼうのために、バンナの坂道を走る日々がまた始まります!



本部だより(66)

土曜日は気まぐれラン

沖縄伴ネット会長 大見謝辰男

伴ネット日曜練習会では、私は伴走初心者やNAHAマラソン完走講座受講者の指導などで、個人練習はほとんどできません。このため、土曜日は一人で朝早くから足の向くまま・気の向くままのLSDを楽しんでいます。信号が赤になったので曲がろうとか、この先に何があるのか行ってみようなど、まさに気まぐれランです。時おりおもしろい発見があり、このようなポイントを結ぶとすばらしいランニングコースがつくれます。

この成果は、伴ネットの年中行事にも活かされています。1月の初走りは那覇市小禄の公園や歴史を訪ねるアップダウン10kmで、各ポイントに解説案内板があります。2月の花見ランは桜の名所を縫うコースで、おきなわマラソン調整10kmを兼ねます。7月の韓国料理栄養会ランでは糸満市の冷たい湧水に足を浸けるのが大好評です。12月の豊見城市丘陵マラニックでは途中で農協スーパーなどの飲み食い店舗に立ち寄ります。「身近なところにこんな素敵なところがあったなんてびっくり!」と喜ばれます。

ところで、私の土曜気まぐれランの終点は、ビール・トイレ・バス停の3点セットが揃っておればどこでもOKです。ゴールでビールを飲みながらストレッチをして、バスで那覇に帰ります。最近多用しているのは豊見城市豊崎の道の駅。私が走り終えてビールを飲んでいると、遅い時間にスタートした他の走友会グループが、汗だくで恨めしげに私のビールの匂いを嗅いでいきます。



ニュースありくり

☆6月19日(金)、今年も伊原間のハーリーに参加予定です。ぶがりには特別ゲスト予定!



6月の練習会

☆毎週水曜日18時30分、真栄里公園集合

☆毎週日曜日 8:00集合

 7日 野底岳ピクニック

14日 バンナ公園南口駐車場

21日 バンナ公園南口駐車場

28日 バンナ公園南口駐車場